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『単騎、千里を走る。』(06年・中国=日本) [映画(09年~)]

「まるで関羽と同じだ。その義理が大切なんだよ。」

単騎、千里を走る。 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD


監督: チャン・イーモウ
出演: 高倉健, リー・ジャーミン, ジャン・ウェン, チュー・リン, ヤン・ジェンポー

息子の大病を機に疎遠になっていた父が遥々会いに行くが、息子は会うことすら拒む。息子の嫁から以前、中国雲南省麗江の変面劇を撮影しに行き、それがニュースになっていたことを知らされる。その中でリー・ジャーミンなる役者が一年後に息子と再会の約束をしていた。父は息子の変わりにその役者の変面劇を撮影する為、中国へと旅に出る。

チャン・イーモウは活劇から淡々とした作品まで撮れる職人監督だなと思ったけど、本作はなぜか素直に感動できなかった。高倉健という日本の大役者を起用して、中国を旅する日本人を描いた作品を作ったことで中国を身近に感じたが、撮影がうま過ぎるだろう、なかなか素直な気持ちで見れない。淡々とした中国映画なら地理的条件を活かして地味に撮影するだろうけど、どこかでお金が掛かっているような風合いが感じるんだよね。それが気になった。こればかりはしかたないが健さんは携帯、ハンディカム、デジカメを使いこなしているし、味気ないのはこの時世だ。

DVDにはメイキングとインタビューがある。健さんは皆中国人のスタッフや役者とふざけたり、笑ったりしていた。言葉も分からないのに交流って素晴らしいなと思った。

リアルな中国を観るならジャ・ジャン・クーかなあ。淡々とした映画だけでは面白くないが、好みの問題だ。ウー・ティエンミンの作品も観たいな~。
ちなみにチャン・イーモウが高倉健を知ってこよなく愛したのは『君よ憤慨の河を渉れ』(76年)を観たせい。二十歳前後の監督が文革が終わって一時的に外国映画が上映されるようになって初めて見たアクション映画だそうだ。不器用な男って万国共通なんだね~。

『続・西太后 暴虐の美貌』(89年・中国=香港) [映画(09年~)]

「あなたは清朝を亡ぼす気!?」

続・西太后.jpg

英題「THE EMPRESS DOWAGER」

前作『西太后』のヒットにより新たに製作された続編。皇帝の崩御後、息子を同治帝に即位させ、東太后と共に垂簾聴政を行う西太后。同治帝の皇后問題に端を発し、側近の宦官ショウアンの企み、同治帝の崩御までが描かれる。

色々注意して観ないといけないのが映画独自のフィクション、どれがどれだか分からない。前作よりパワーアップしたのが女帝・西太后の権力横暴と私生活。前作でも皇帝の病の薬に鹿の生き血が登場したが、今回は沐浴シーンから生態マッサージ、よく分からないが母乳を飲むシーンがあった。美容、健康の効能があるのかそんなことをしてたのか?

脇役ながら存在感ある演技を見せたのが同治帝の寵愛を受けていた召使クイ・レン役のコン・リーさん。若い!
同治帝と仲がよいことに西太后の腰ぎんちゃくのショウアンに陰口されたことから売春宿に連れていかれ、皇帝に会えない辛さが胸に響く。
中国国籍からアメリカに移住して中国ファンからバッシングを受けたそうだが、その後どうなのだろう。

同治帝の皇后が懐妊中に同治帝の性病が移ったこと(映画の場合、天然痘か性病とあった)から、身重の皇后の腹を蹴る、爪で引っかくの暴力。恐ろしいまでの権威に対する執着。ギャング映画のようにどこまでも残酷な面が女帝・西太后の威厳を感じた。

ラストのクレジットに「東太后の死因については不明。」とある。この映画の続編はまだない。一本の映画ではまとまりきれないわけだ。

『藍色夏恋』(02年・台湾=仏) [映画(09年~)]

「さそり座O型、水泳部とギタークラブ所属!」

藍色夏恋 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD


監督: イー・ツーイェン
出演: チェン・ボーリン, グイ・ルンメイ, リャン・シューホイ

女子高生モンは友達のユエチェンから違うクラスの男子チャンへ変わりに告白を頼まれる。男の子に関心のないモンはしぶしぶOKするのだが、知り合いになったチャンから逆に告白をされる。幾度となくアタックをするチャンにモンは今まで誰にも打ち明けなかったある秘密を告白する。

はあ…、今まで心の奥底で観なかった(いや、避けてきた)映画がたくさんある。その中で青春映画がダントツで観ていない映画に入る。まして学園モノとか特に…

なんでってそりゃあ変な偏見で
「青春映画なんて大人が昔を懐かしんだり、ヘタな子役がウブに不器用に演じたり、突然のSFファンタジー、転校生、不良が出てきて入り乱れる人間関係、悪教師の登場、スポーツ大会、恥ずかしい失敗談、毒々しいイジメうんぬんかんぬん。」ええ。ささっと避けてきました。だって観ていて恥ずかしくなっちゃうもの。
学校で何があった思春期に何があったとか、そりゃあ色々あったさ。それを同世代の自分が見たら自分に対するメッセージに感じて説教臭くて辟易するもの。学園モノは同感を買うもの買わせるものと大人が作為的に同調を求めているように思えて、映画観てると自分があのキャラクターはオレだなって思えちゃう自分がいて嫌、または赤面しちゃうよ。主人公はかっこよすぎる。登場人物はハジけてる。青春を謳歌する若人、ああ恥ずかしい。観ていてドキドキする。それだけ現実はギャップがあるだけだ。

さてこの映画、どこからともなく入ってきてしんみり心を揺さぶる、夏のさわやかな空気が循環する青春映画。外国の話だけど、台湾の学校は日本に似てる所に親近感が沸く。何より台湾のフレッシュな高校生ライフに好感を持った。台湾の高校生の実態こそしらないが、日本にはもうないよ。俳優は全て素人なのもいい。

未来を夢見る高校生はユエチェン、現在に悩んでいる高校生はモンという対象が印象強く感じた。ユエチェンはバッチリ考えた10年後の未来予想図を友達のモンに伝えるが、そんなことより今の自分の気持ちがよく分からないモン。スキ、キライ。男が女を好きになる。女が男を好きになる。自然じゃないことにどう向き合えばいいか自分でも分からない。

ユエチェンはチャンに告白できないで進行中の恋呪い、収集癖が生きがい。モンは突然のチャンの存在に「スキになるってどういうことなのさ」って問いたくなる。自身満々のチャンとの縁で思い余る気持ちにチャンに出来たことを実行してみる。彼女の告白は行動だった。ああ、書き込んでて恥ずかしくなってきた。

ベストアイテムに自転車。ラストの二人に流れる風がまたさわやか。


僕は
おとめ座O型、〇〇部廃部後、××××部所属

だった。
女の子に自信がない内気な高校生だったさ~。

『西太后』(84年・中国) [映画(09年~)]

「私なら龍の上に鳳凰を彫らせるわ。」

西太后1.jpg

ウィキペディア 1984年・映画『西太后』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%A4%AA%E5%90%8E_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

『西太后』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%A4%AA%E5%90%8E

BURNING OF IMPERIAL PALACE 火烧园明园

中国史上、もっとも残忍で恐れられた女帝、西太后の半生を映画化。時は19世紀清朝末期、満州出身でエホナラ族の才女が紫禁城で開かれる后妃選定面接試験に合格。『エホナラの呪い』がまだ根強く残る宮廷内で、皇帝の寵愛を受け、次第に出世していくが世は西欧列強の時代へと流される。

Amazonにないので自ら書き込まないといけない。はい。正直に言いますと怖いもの見たさで観ました。
残酷シーンを変な期待で観ていたら、真面目な史劇でした。公開当時は残虐だったかもしれないけど、今見たらふつう。これはハリウッド映画のせいだ。

色々注意しないといけないのが色々映画独自のフィクションが加えられていること。

西太后は出身がどこか分からないらしい。
皇帝の寵愛を受けていたライバルの后妃の手足を切断して瓶に入れて飼ったというのも事実ではない。
映画は2作品を繋げて編集してナレーションを交えて短縮されたもので完全版ではない。

后妃になってから皇帝の死、クーデターによる顧命大臣の処刑、息子を皇帝に即位後、実権の把握で物語は終わる。
女の狂気じみた皇帝を愛する美しさよりも、野望、ジェラシーに怒る女を感じた。惨忍なのは皇帝に即位した後からなのでこれから『続・西太后』に繋がるんだろう。

円明園の暴虐無尽な破壊・略奪についてイギリス・フランスの描写が旧軍日本兵並の扱いだ。文化遺産の破壊というのは確かにひどい話。略奪品はオークションに並んで安値で売買された。諸外国の列強による中国の愛国精神は並大抵のものではないだろう。それがまた現代へと繋がっている。

映画は2作品を再編集して短縮されているからか少し違和感を感じて観た。残酷な女帝が現れたのは最後の最後だったわけで、それまでは皇帝がメインになったりで感情移入できなかった。

『長江哀歌』(06年・中国) [映画(09年~)]

二千年の街が二年で消える。解決には時間がかかる。

長江哀歌 (ちょうこうエレジー) [DVD]

長江哀歌 (ちょうこうエレジー) [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD


監督・脚本:ジャ・ジャンクー(賈 樟柯)
【ストーリー】 大河・長江の景勝の地、三峡。 舞台はそのほとり、二千年の歴史を持ちながら、ダム建設によって伝統や文化も、記憶や時間も水没していく運命にある古都。16年前に別れた妻子に再会するため、山西省からやってきた炭鉱夫サンミンと、2年間音信不通の夫を探すシェン・ホンの2人を軸に描かれる。時代のうねりに翻弄されながらも日々を精一杯に生きる人々の「生」の物語。

1970年生まれの若手ながら世界的にも知られるジャ・ジャンクー監督。本作で06年ヴェネチア映画金獅子賞受賞。
http://www.bitters.co.jp/jia/index.html

TSUTAYAでパッと手に取った作品が実は06年ヴェネチア映画祭関連だったのは偶然のこと。映画は世界の地理や文化を学ぶいい教材というのは間違いない。中国の発展の中で、犠牲となる一般市民を淡々と描かれる。あざとい演出も突拍子もない出来事もないが、(ウソウソ、UFOやロケットのシーンがあった。)景勝地の風景も不似合いな建物と取り壊し工事現場の風景ばかりで、なくなりつつある街を映し出している。立ち退きに応じない住民にヤクザが合法的に使われていたり、胡散臭い手品を少し見せては金を取ったり、知らない土地を知る主人公2人はこの映画を観る観客の視線そのもの。

監督の過去の作品で『青の稲妻』(02年)を専門学校で観たことがある。内陸部の田舎街で暮らす若者たちのやり場のない青春を描いていた。僕も地方出身の為に好感を持って観ていた。

このどうしようもない空気。観ていて痛感する。
そう。田舎はどうしようもないのだ。都会の流行も、国内の重要な事もその土地からみればいまいち実感がわかない。ただ他の土地に憧れを抱いていることもあるのだが、理由もなく生まれ育った場所というのは重要な所とどうしても忘れられない。そんな視線を持っているのは素晴らしいことだ。

『男たちの挽歌』(86年・香港)のチョウ・ユンファに憧れる青年がカッコつけてタバコを紙切れに火をつけて吸う場面がある。20年も前の映画なのに青年は当時の香港に憧れている。20年後の三峡のボロアパートに。
ペットボトルを離さないシェン・ホンが水を飲むシーンが幾度も出てくる。テーマに意味深で、自然に艶めかしいなと思って観ていた。時々歌を歌う人、人が踊るシーンが出てくるのは監督の演出だろう。

撮影はどうやらビデオのようだ。用は映画を撮る媒体はなんでもいいのだ。
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『パプリカ』(06年・マッドハウス) [映画(09年~)]

「続きはどうするんだよ!」

パプリカ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


医療研究所で他人の夢に入り混むことの出来る機器「DCミニ」を開発した担当者が何者かに悪用される事件が発生。研究所内の誰かによるものだという確信の元、試験的に他人の夢に入り込んでカウンセラーを続けていた敦子が、夢の世界の自分:パプリカとなって捜査を開始する。

今更ながらパプリカです…。ハイ。ついさっきまで初見でした。

永遠のファンタジー『夢』と現実が入り混じった幻想的で鼓動感あるズバ抜けた映画。今敏って映画好きなのがよ~く分かる。アニメでしか出来ない非現実を巧みに生かす思い切りのよさというのか、う~んこれはすごい。もちろん筒井康隆がすごいんだろうけど、映像化するのも並大抵のものではないはず。まずは遊び心がないと作れないと思う。子供に帰るって大事なことだ。

夢を支配された登場人物たちが『あっち』に行こうとするパレードで放つセリフが奇妙奇天烈で、何かしら意味が通じるような不思議な感覚を持った。現実なのか夢なのか分からないって怖い!

奇妙と言えば美術の人形だ。人間の形をした人形っていうのは物のはずなのに、どこか生を感じさせる存在。写真や絵よりも物体で、より現実に近い。もしこれが動いちゃったら夢だ。夢のはずだ。
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『午後の遺言状』(95年・近代映画協会) [映画(09年~)]

「この石、貰ってくわ。」

午後の遺言状 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
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監督: 新藤兼人
出演: 杉村春子, 乙羽信子, 朝霧鏡子, 倍賞美津子

蓼科高原の山荘に今年も老女優、蓉子(杉村春子)が避暑のためにやってくる。山荘の管理人で身の回りの世話を任される豊子(乙羽信子)は何十年来の友人だが、彼女の22歳になる一人娘が実は蓉子の亡き夫との間にできた娘だと告白する。

杉村春子、乙羽信子の二大女優の競演、またこの作品を最後に二人の遺作となってしまった。新藤兼人が『老い』をテーマに、迎えるであろう死をどう考え、どう生きていくかの「老人たちの行く末」を描いていると思う。老人性痴呆症にかかった旧友の女優(朝霧鏡子)夫妻の再会が感動的に描かれている。杉村春子と乙羽信子の会話は何年もの時を得たように慣れた口調で、ユーモアがある。

突然の老人を無差別に襲った犯罪者の登場や、金一封を送る警察など風変わりなエピソードが新藤兼人らしい。遺書は何の紙で、文面はどうしたらいい?老人ホームは公立か個人経営かなど、死んだ時のことを考えては自分の死に対して関心が止まないのは理解できる。死に対する考えの違いや、他人に迷惑をかけないかけたくないという考えにも同情する。

無二の親友である二人の突然の葛藤も、「老い」が自然とやわらかくまとめてくれる。

年をとっても女優はさすが、杉村春子(95年当時86歳!乙羽は71歳だった)と乙羽信子のベテランっぷりがすごい。この二人なくしては映画はできなかっただろう。
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『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(87年・香港) [映画(09年~)]

「ハンニャラハタミ…ハンニャラハタミ…」

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
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監督: チン・シウトン
製作者: ツイ・ハーク
出演: レスリー・チャン, ジョイ・ウォン, ウー・マ

ある時代の中国。不気味さから誰も怖がって寄り付かない古寺に、一人の貧乏書生が宿を求めてやってくる。そこで出会った謎の美女に恋をするのだが、彼女は行き倒れて死んだ幽霊で、この地を支配する妖怪に支配されているのだと言う。書生は霊退治の道士を味方につけて妖怪と戦う。

香港映画が誇るワイヤーアクション、SFXはすごいよ。この実写で描く力っていうのはハリウッドの方が勉強すべき表現だよ。だって変にCG入れないほうがリアリティーがあるもん。ジョイ・ウォンの妙に長い衣装がなびいたり、手足のように動くアクションカットが多いけど、CGで作り上げた描写の方がわざとらしくなるのは間違いない。だってこれがイメージそのままだもの。ラストの幻想的な『あの世』でのアクションだってこのままがいい。用は最近の映画はCGの使い方を考えて欲しいんだ。布と風を使った演出にも注目。

ツイ・ハーク監督というと(今回は製作者なんだけど、)ハリウッドでJ・C・ヴァン・ダムを使っても軽快なアクションを撮る人だけど、軽快さとコミカルはたがいに両立し合っている。わざとらしいエロチシズムははにかんで観れる。一瞬ギョッとするホラー、ファンタジーにラブストーリーをミックスしてるんだから映画として魅力たっぷり。

レスリー・チャン、自殺が悔やまれる。この初々しさは永遠だ。
ジョイ・ウォン、男を惑わす女幽霊にはぴったり。

DVDはドルビーデジタルだったけど、この時代モノラルじゃないの?画質だってメチャメチャ綺麗だし。
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『殺しの烙印』(67年・日活) [映画(09年~)]

「女を抱いてきたのか?」      「あたりきよ。」      
「湯たんぽを抱きな。」        ドキューン        

殺しの烙印 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD


監督: 鈴木清順
出演: 宍戸錠, 真理アンヌ, 南原宏治, 小川万里子

公開当時、その特異なる演出スタイルで観客からは理解されずに興行的に失敗し、日活の社長を怒らせ、クビにまで追い込まれた鬼才、鈴木清順の代表作。NO.3と呼ばれる男は組織の命令で動く殺し屋。謎の女に頼まれた仕事で失敗し、逆に組織から命を狙われる破目に。正体不明の殺し屋NO.1に単身戦いを挑む。

この洗礼されたカットは一体なんだろう。フランス映画のようにカッコいい。人物が画面の端っこにいて、対照的に光と影もまた印象的。中にちりばめられたヘンテコな設定のユーモアも「なんだこの映画は?」と思わずにはいられない。コメを炊くときの臭いが好きな殺し屋なんて誰が考えるんだ。分からないでもないが、バーでコメを炊けとは面白い。女を抱くシーンが多いけど、その中で炊飯器を抱いてうっとりしながら臭いをかいでいる男が挿入される。
たった1カットで話がメチャメチャ飛ぶんだよね。その飛びっぷりが説明なんか不要で観ている方が注意しないと置いてかれるんじゃないかと思う。

映画の中で印象的なのが真理アンヌさん。氷のような冷たい表情のミステリアスな女のイメージそのもので白黒映像と相まってスタイリッシュに決まる。雨の中のシーンがまたカッコいい。
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『逆噴射家族』(84年) [映画(09年~)]

「正直に言おう。お前たちは、みな…病気だ!」

逆噴射家族 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
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監督: 石井聰亙
出演: 小林克也, 倍賞美津子, 工藤夕貴, 植木等,有薗芳記

『東大一直線』、『おぼっちゃまくん』のギャグ漫画家、小林よしのりの原案を鬼才、石井聰亙が監督したスーパー・サイコ・バイオレンス・コメディ・ホームドラマ。団地住まいから念願の一戸建てに引っ越してきたごく普通の家族、小林一家。引越し早々、家の軒下にシロアリを発見したことから画に描いたような家庭が崩れ始める。マイホーム主義の父、色情狂の母、東大を目指す一浪の息子、熱狂的なアイドル志望の娘に、突然の祖父の居候でそれぞれの不満が爆発。家を舞台に殺し合いへと発展する。

久しぶりに鼻息を荒くするようなパワフルな映画に出会えました。しかしDVDはVHSソフトからダビングしたみたいに画像があまりよくない。まあそれは置いといて制作された84年という時代を感じる作品だと思う。どこかエネルギッシュなんだよな~。

工藤夕貴の劇場デビュー作らしいんだけど、当時風に『ぶりっ子』と言ったほうがいいのか。アイドルのような口調で「これから歌の稽古があるのに~。」とかちょっと憎たらしい存在がなんともいえない。子供らしいんだけど大人の女を意識した振る舞う小生意気なキャラ。
部屋にあだち充のポスターやプロレスアイドル(ビューティ・ペア?よくわからん。)などが飾られている。その時代を生きたわけじゃないのにすり込みというのか、そういう時代だったんだなって思うよ。プロレスのスーツ姿とか、バカバカしいけど、ここまで行くと貫いた感じがあって面白い。翌年『台風クラブ』に出演している。

植木等さんが出ている。声が変わらず若い。登場俳優みな演技派ぞろい。カメラが動く動く。

ものすごく狭い所(家の中)で個人の尊重を理由に戦争を繰り広げる。主人公はお父さんだろうけど、家族は自分の部屋にろう城して、それぞれ持ち回り品で武装していく。長男のサイバーな部屋は面白いよ。

物語は家庭崩壊の可能性を描いている。現在でも家族間の殺し合いなどが起こっているけど、時代に関係なく、家族とは何なのかにまじめに焦点を当てられていると思う。また狂気とは「ものすごく曖昧なもの」と考えさせられるものすごく偏屈な映画。ホラー映画のパロディもあって、とにかく家族みんながキレる!エキセントリック・ホームドラマ!
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